Research

プロジェクト概要

気球センサ

 巨大物体の3次元形状計測では,クレーンやヘリコプタ等を利用した空中からのスキャンが効果的な方法のひとつとして考えられる.ただし,対象物体が貴重な文化遺産である場合,安全性や効率性の面から,このような計測にはさまざまな問題が発生する.そのためわれわれは,レンジセンサを気球に搭載したFloating Laser Range Sensor(FLRS)を開発した.しかし,FLRSでは計測中にレンジセンサが運動するため,獲得する形状データに歪みが生じてしまう.そこで,本稿ではこのような移動するセンサから得られるデータを補正する手法を提案する.まず,気球に取り付けたビデオカメラによる画像列のみを利用して,センサの位置・姿勢の推定をおこなう.次に,画像列と,歪んだ形状データそのものから抽出できる情報を用いて,さらに精度良くパラメータのリファインメントをおこなった.このようにして求まったセンサの運動パラメータを用いて,歪んだ形状データを補正した.この手法をカンボジア,バイヨン寺院の計測に適用したところ,移動するレンジセンサから得られた歪んだ形状データを精度良く復元することができた.

FLRS
FLRS

発表論文

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木登りセンサ

「梯子式レーザ計測システム(木登りセンサ)」は,バイヨン寺院の狭隘箇所(幅1m,高さ5m程度)の三次元モデルを得るために開発されたシステムである.このような領域は,従来型のセンサでは寸法や視野角,計測原理などの問題から計測が困難・非効率であったり,計測点の密度に著しい不均衡が発生していた.本システムでは,伸縮式の梯子形電動リフトに主・副2台のラインスキャン型のレーザレンジセンサを直交配置し,リフトの上下運動と同時に対象シーンを計測する.主センサはシーンの形状を得るために使用し,副センサはリフトの運動(梯子の設置条件により移動速度が毎回異なる)を推定するために使用する.このシステムにより,内回廊とテラスの空隙など計178回に渡って計測を行った.得られた三次元モデルは,既存のモデルや異なる運動下で得られたモデルとも整合し,システムとしての有効性を確認している.

climbing
climbing

発表論文

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位置合わせ

大規模距離画像の同時位置合わせ手法

 我々は複数方向から計測された大規模距離画像の同時位置合わせ手法を提案している.位置合わせ計算で最も計算コストが高い処理は対応点探索である.我々はインデックス画像を用いた高速な探索手法を開発した.本手法は従来の手法のようにセンサパラメータやルックアップテーブルを必要としない.またグラフィックスハードウェアを用いることによってインデックス画像は実時間で作成することが可能であり,大きなメモリ領域も必要としない.

 更に計算の高速化及びメモリ使用量の削減するために,分散メモリシステム上で並列に同時位置あわせする手法を開発した.対応点探索は距離画像の組合せ毎に独立に行う事が可能である.そこでこれらの計算を各距離画像の組合せ毎にプロセッサに割当てる事によって並列処理を実現した.負荷分散とデータ分散を同時に実現するために,距離画像と各距離画像間の対応関係を表したグラフを作成し,グラフ分割の手法を用いる事によって最適解が求められる.

alignment

発表論文

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統合

大規模観測対象のための幾何形状および光学情報統合システム

 近年,文化遺産を3次元モデル化する研究が広く行われているが,対象となる文化遺産には巨大でかつ形状が複雑なものも多く存在する.このような文化遺産をモデル化するためには巨大なデータを扱う必要がある.そこで我々は距離センサから得られる大規模な幾何的,光学的情報を効率的に統合する枠組みを提案している.本手法では,まず幾何情報と光学情報を同時に統合する手法を提案している.次に大量のデータを扱うために,1.PC クラスタを用いた並列計算,2.データに応じた適応的な解像度による統合処理,という2つのアプローチによる手法を開発し,大規模な文化遺産の精細なモデルの生成を可能にした.

発表論文

  • R. Sagawa, K. Ikeuchi, "Hole Filling of a 3D Model by Fliooing Signs of a Signed Distance Field in Adaptive Resolution," IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence (PAMI), Vol. 30, No. 4, pp.686-699, April 2008.
  • R. Sagawa, K. Nishino and K. Ikeuchi, "Adaptively Merging Large-Scaale Range Data with Reflectance Properties," IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence(PAMI), Vol. 27 No. 3, pp.392-405, March 2005.
  • R. Sagawa and K. Ikeuchi, "Taking Consensus of Signed Distance Field for Complementing Unobservable Surface", Proc. 3DIM, pp.410-417, 2003.

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表示

 計測によって得られた文化財などの高精細な3D モデルを,その対象に関する付加情報と共に提示するようなコンテンツへの応用が近年考えられている.しかし,大規模なモデルと多様な付加情報を扱うには,様々な制約により従来の手法では困難である.そこで,本論文では大規模な文化財3D モデルと他形式の情報との関連付け,編集,及びそれらの閲覧を一般のPC でも容易に行えるシステムを提案する.

 本システムでは,情報の関連付け・情報へのアクセスなどは簡単なマウス操作によって行え,また情報を関連付ける領域の定義にはLazy Snapping 法を用いるなど,非常に容易に扱えるインタフェースを提供する.さらに大規模な3D モデルのリアルタイム描画を多重解像度表現を用いることで実現している.

display

display

発表論文

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テクスチャリング

 現実感の高いモデルを作成するためには、レーザレンジファインダ計測によって得られた3次元幾何形状モデルに、写真から得られる物体表面のテクスチャを貼り付けることが有効であるが、そのためには写真を撮影した位置・向きなどを対象物に対して正確に推定する必要がある。

 本研究では、3次元幾何モデルと複数枚のテクスチャ画像間での位置合わせを自動的に行う手法を提案する。画像上の2次元エッジピクセルとモデル上の3次元エッジ点との対応関係を随時更新しながら、反復解法で求める。またそれら2D-3D間での対応関係に加え、3次元表面上での2D-2D間のエッジ対応関係も同時に考慮に入れることで、複数方向からの画像全体の間で整合のとれた最適化を行うことができる。誤差最小化計算には共役勾配法を用い、またロバストに動作するようにM-推定法を使用する。

texturing

発表論文

  • 大久保亮, "Simultaneous Registration of 2D Images onto 3D Models for Texture Mapping," 修士論文, 東京大学, 2003.
  • R. Kurazume, K. Nishino, Z. Zhang, and K. Ikeuchi, "Simultaneous 2D images and 3D geometric model registration for texture mapping utilizing reflectance attribute," In Proc. Asian Conf. on Computer Vision, vol.1, pp.99-106, 2002.

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物体色推定

 物体の色は光源色に依存して変化する.光源色に独立な色恒常性実現のため,単画像中の光源色の違いを利用した物理モデルに基づく物体色推定手法を提案し,画像から光源色の除去を行う.本稿では特に屋外の実画像を扱うことに重点を置く.これは物理モデルに基づく従来手法では殆ど実現できなかった.本手法は画像中の影の領域と日照下の領域を用いる.これらの領域は色温度が異なり,その光源色は黒体輻射で近似できる.このことを用い光源色を推定する.屋外光源色を安定して推定するため,入力ノイズの解析を取り入れた.実画像を使用する場合ノイズの混入は不可避である.結果として従来手法よりも正確でロバストな推定が可能となった.入力が単画像で十分なため,コンピュータビジョンにおける様々な応用が期待できる.屋外の実画像を用いた実験結果は本手法の有効性を示している.

color

発表論文

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尊顔解析

3次元デジタルモデル解析によるバイヨン寺院尊顔制作背景に関する考察

バイヨン寺院尊顔の制作背景を探ることを目的とした.
日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA)の定性的な調査によると, 1.) 現存する173の尊顔は,デーヴァ(男神),デヴァター(女神),アシュラ(悪魔)の3種類に分類でき,2.) 多数の職人で形成されたチームが複数存在し,同一のチームによって制作された尊顔は類似している,と言われている.そこで,計測により取得した尊顔の3次元モデルを用いた定量的な尊顔の分類・分析により,その調査結果に対する妥当性について検証した.

まず,取得したすべての尊顔の3次元モデルについて大きさの正規化処理を施した.次に,処理されたデータに対して線形判別解析を行い,JSAの分類尺度の正当性を示した.また,そのデータに対して階層クラスター解析を行い,位置的に近い尊顔が同一のクラスタを構成する傾向があることが確認された.この結果をバイヨン寺院の地図にプロットすることにより尊顔彫刻職人の担当エリア分布の解明の可能性が伺えた.

face
face

発表論文

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Topics
2006/05/31
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2006/02/05

プレスリリースの内容(PDF)
press launch