Great Buddha Project -観察に基づく文化遺産のデジタル保存-

Abstract

バーチャルリアリティ(VR)で用いられる様々なモデルの作成作業は, 現在その大部分をオペレータの人手に頼っている. このためコンテンツの製作に多くの時間と多額の費用が必要であり, これがVRシステムの普及を妨げる一因となっていると考えられる. 従ってこのモデル作成作業を自動化,効率化できれば, 仮想現実システムの低価格化が可能となり,より一層の普及が期待される. この問題に対し,我々はこれまでに, 実物体の観察に基づき仮想現実モデルを効率的に作成する手法として, (1)メッシュ生成(スキャニング),(2)位置合わせ(アラインメント), (3)統合(マージング)からなる "modeling-from-reality (MFR)"の概念を提案している. 本報告では,鎌倉高徳院阿弥陀如来像(鎌倉大仏)のデジタル化を例に, これまでに我々が開発した大規模文化遺産のデジタル化に対する 様々な手法を紹介する.