CGモデル画像による教師画像を利用した車種認識の一手法

Abstract

本稿では,車両の3次元コンピュータグラフィックスモデル(以下CGモデルと呼ぶ)から作成した教師画像を用いたロバストな車種認識システムを紹介する.本システムの認識手法の基礎は,binary features法である.この手法は,局所的な特徴に注目した物体認識手法である固有窓法を元にしており,オクルージョンや照明条件の変動に対してロバストである.我々はこれまで, 種々の実験を通してその有効性を確認してきた.特に,車両のCGモデルを利用して教師画像を作成することで,認識性能を損なうことなく教師画像の収集にかかる労力を大きく減少させることができた.しかしながら,binary feature 法を基礎とする認識方法では,1車種を認識する性能は高いが,複数車種をきちんと認識させる場合は性能がやや落ちるという問題点がある. 本論文では,binary feature 法に次の3つ手法を組み合わせることで,よりロバストな車種認識手法の提案を行う.3つの手法とは,(1) 特徴量抽出手法の改良,(2)非存在領域の利用,(3)テンプレートマッチング,である.最後に,提案手法の有効性を,セダン,ワゴン,ハッチバック,ワンボックスの4車種を認識する場合を例にとり屋外実験にて確認した.