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: 目標レベルの分類 : 認識図 : 認識図

決定ツリー

認識図の各レベルは,そのレベルにおける仮定が,どの程度立証されるかにより,決定ツリーで表される. オペレーションリサーチの分野でいうと, 決定ツリーは,マネージャが予期できない行動を決定するのに役立つ,チョイスノードとチャンスノードが交互に存在する ツリーだと言える.チョイスノードは,エージェントが操作する決定で表され,チャンスノードは,エージェントが操作することはできないが, 可能性は存在する事象で表される. 決定ツリーを用いるためには,マネージャが何らかの行動の前に,ある程度,決定結果や,決定の流れを見積もっておく必要がある. 例えば,投資家が新しい産業に投資するとする,投資の後,製品が売れれば,利益をえることができるが,製品が売れなくて, 投資が失敗してしまう可能性もある.このようなことが決定ツリーで表される.

SLSにおいて,決定ツリーは証明,または否定する仮定を導く過程を表している. チョイスノードは,特徴の集合で表され,チャンスノードは,特徴を発見する手順 (FMP) と一致する. この場合におけるエージェントは,次にどの特徴を計算するべきかを決定するコントロールプログラムであり, 仮定の知識の状態に基づいている. コントロールできない事象は,予測された分布によると,独立した特徴に戻ってくるFMPの起動といえる. 証明は,操作手法がFMPを選択することの繰り返しとなり,FMPは特徴を戻す.こうして,操作手法は別のFMPを選択する. この繰り返しが決定ツリーにおける,チョイスノードからチャンスノードへ,さらに新しいチョイスノードへの進行として表される. 結果的に,この進行が,証明も否定する特徴に一致するリーフノードへ導く.

図3.3は完全なSLSスタイルの決定ツリーを示している. 仮定が何もない最初の状態から始まり,そこを離れる段階で,どの特徴を計算するのか選択する. 図3.3で示されている例は,AとBという2つのFMPがあり,どちらが選ばれても,次の段階へ進む. 従って,図3.3の場合,先にAを選んだ場合は次にBを,逆に,先にBを選んだ場合次にAを選ぶ.



SATO Yoshihiro 平成12年10月3日