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: 例題からの学習 (LFE) : SLSの3つのアルゴリズム : SLSの3つのアルゴリズム

探索

探索アルゴリズムは,トレーニングイメージと,トレーニングイメージから生成された中間レベルの仮定とへ, ビジュアル的な手順を適用し,また, TPsを画像に適用すると,領域,線,点などのような,中間レベルの仮定を生成し始める. このような仮定の特性は,FMPsによって見いだされ,TPsによって抽象的な仮定へ変換する. このように,探索アルゴリズムは,新しい仮定が生成されなくなるまで,仮定のツリーは膨大に広がる.

トレーニングイメージから生成される仮定を徹底的に探索するのは,2つの理由がある. 第1の理由は,LFEのアルゴリズムのための,正しい仮定が生成されることによる. ユーザーからのトレーニングシグナルは,目標レベルの仮定を正しいものと,正しくないものとに区別するが, 目標レベルの仮定が,中間レベルの仮定のシーケンスを通して,画像からどのようにして生成されるのかを示しているわけではない. 目標レベルの仮定の生成を学習するには,SLSは正しい仮定が生み出される方法の例が必要となる. 徹底的に,全ての可能性のある仮定を生成することにより,探索アルゴリズムは可能な限り多くの正しい仮定の生成を保証し, 仮定の一つ一つがどのように生成されたのかを記録する.

第2の理由は,VPsのコストと利益を見積もることによる.特徴を測定する場合の予測されるコストと同様の仮定を与えられた 証明の過程を最適化するためには, SLSは,特徴のある確立を把握する必要がある. 残念ながら,SLSのVPライブラリーは,FMPsのコストについての情報も,それぞれの個別の特徴の値も含んでいない. 従って,トレーニング画像に適用することにより,SLSはFMPsの統計的な特徴づけをする必要がある.

SLSは,コンパイル時より,実行時を最大限に活用するように設計されているが,可能な仮定のツリーが徹底的に広がることができない 状況が多く存在する. このような場合,トレーニングシグナルからの,空間的制約を満足しない仮定を探索しないことで,探索によるコストは ヒューリスティックに減少する. 例えば,認識目標が対象の3次元的な位置を修正することならば,対象の射影とは重ならない,いかなる領域の仮定も, さらに探索する必要なく,拒否される. 同様に, 点,線,平面,その他のタイプの幾何学的な仮定は, 正しい解または,それ自体の射影と重ならないなら,拒否される. このようにして,探索の結合的な性質は打ち消される. しかし,LFEアルゴリズムによって必要とされる確かな例は生成される.

このヒューリスティックなデメリットは,(1) LFEアルゴリズムにより,DNFの部分項のコストを最小にするため (3.2.3節参照) に, そして,(2) 特徴のコストと,存在する確立を見積もるために,SLSで否定的な例が用いられることによる. 効率的でない手法のリスクにおいて,否定的な仮定の部分集合だけを調査し,結果を推定することにより, 両方のタスクが達成される. 本稿では,実験は徹底的な探索を行っているが, 現在,我々のグループは,以上のことと,探索コストを最小にするためのヒューリスティックなものとを用い,研究を行っている.



SATO Yoshihiro 平成12年10月3日