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: 測定関数の初期推定 : 機能ベースの物体認識システムのファジーメンバーシップ関数の学習 : OMLET学習システム

エラーの伝達

トレーニング例のためのエラーは、望まれる評価測定値と実際の評価測定値との間の違いであると定義される。エラーの少量(学習レートによって定義される)が、PAND接続部でエラーの平等な分配が行われ、それぞれの要素で、証明木を下に向かって伝達される。例えば、もしエラーが3要素のPANDノードにおいてEならば、3要素のそれぞれがEの立方根(すなわち、PAND関数の逆)と等しいエラーの一部を受け取るだろう。証明木でのPORノードにおけるエラーは、違うように伝わる。PORノードがエラーの等分配を得るそれぞれの要素の代わりに、それぞれの要素は全てのエラーに起因すると考えることができる。

望まれる評価測定値が、木のルートに与えられて葉に伝達される間、エラーが証明木のそれぞれのノードにおいて実際と望まれる値が常にわかっているから直接計算可能であることは、指摘されるべきである。証明木のそれぞれのノードにおける実際の値は、物体の形状要素の物理的測定値がリーフノードに与えられて、ルートノードにおける全体の評価測定値を作るために組み合わされるとき、それらが計算される。証明木の望まれる値は、ルートノードから下に葉ノードまで、望まれる評価測定値を伝えることによって得られる。例えば、実際の入力v1とv2で2つの入力PANDノードが与えられると、実際の入力Aは $v1\times v2$になるであろう(セクション3.2のT−normより)。もし、ノードの望まれる出力がDであるなら、我々は、次の方程式の組を解くことによって、new1とnew2としてそのノードへの望まれる入力を計算することができる。

\begin{displaymath}
v1\times v2-new1\times new2=A-D
\end{displaymath} (1)

そして、
\begin{displaymath}
v1-new1=v2-new2
\end{displaymath} (2)

最初の方程式はPANDノードのエラーを計算し、2番目の方程式はエラーの等しい部分がそれぞれ入力として割り当てられることを確定する。図6.17は、証明木の全てのノードの方程式(1)と(2)によって計算された望ましい値の例を示す。

PORノードが、一つの親カテゴリー評価値と一つの総計の基準がサブカテゴリーの機能特性のために組み合わされて使われるから、ノードのこの型を二つ以上の入力にはならないであろう。そこで、独立した等式を解くことによって、全部のエラーがPORノードを通じて伝えることができる。

\begin{displaymath}
v2+new1-v2\times new1=D
\end{displaymath} (3)

そして、
\begin{displaymath}
v1+new2-v1\times new2=D
\end{displaymath} (4)

\begin{figure}
\begin{center}
\epsfile{file=fig6-17.EPS,width=79mm}
\end{center}\end{figure}

結局は、全体的なエラーのいずれかの部分が台形メンバーシップ関数によって定義された限界に達する。エラーが、トレーニング例のための個別の範囲に達するとき、プリミティブメンバーシップ関数のための入力と望まれるプリミティブ評価測定値は台形のどこかに横たわるような点を定義する。我々は同様に、x-値の横たわる範囲[n1,n2]の通常部分の側面に基づき、属している点の台形の足に注意をはらう。それぞれの足のための望まれる点のセットは、エラーを減らす試みで台形の調整をするために使うことができる。OMLETは、全てのトレーニング例で証明木を下に向かってエラーを伝達することによって、それぞれのメンバーシップ関数のそれぞれの足のためにこれらの望まれる点を集める。パラメータ(z1,n1,n2,z2)はそれぞれのトレーニングエポックの終わりで調整される。トレーニングが固定されている数の時代の間継続する、あるいは最小の分類によって定義されたパフォーマンスの若干の満足なレベルまでトレーニングセットの上に平均される、エラーレートが達成される。トレーニングは、エポックの固定された数のあいだか、満足の行くパフォーマンスのレベルまで続けられ、トレーニングセットの上で平均化された最小のクラス分けエラーレートによって定義され、達成される。



SATO Yoshihiro 平成12年10月26日