この章では、MIRACLE-IV がどのようにして画像上の特徴と機能の関連付けを 学習するかを説明した。学習の過程は、コンパスを使った例で説明された。
もちろん、MIRACLE-IV は常に正しいモデルを学習するわけではない。間違っ た確信(belief)によって、間違ったモデルを学習するかもしれない。Figure 7.20 に示す例は誤った学習を行う例である。3番目の画像が入力される前の 段階で、MIRACLE-IV は2つの剛体と1つの蝶番で構成される物体が1つのは さみであるはずだと確信している。しかし、一連のシルエット画像を見せられ た人間でも間違った確信に基づいて(機能について)間違ったモデルを学習し てしまうことを考えると、MIRACLE-IV は人間の学習過程を良くモデル化して いる。
我々の研究では、機能を蝶番・滑り部・剛体に分けた。しかし、道具としての コンパスの本当の機能は円を描くことである。画像上の特徴からコンパスの真 の機能を学習することができるシステムを構築することは、難しいな課題であ る。我々は、蝶番や滑り部などの特徴を扱うことのできるこのシステムが、物 体の真の機能と画像上の特徴との間のギャップを埋めるのに役立つと信じてい る。