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: この文書について... : ロボ部屋輪講「SYMBOLIC VISUAL LEARNING」資料 Chapter : MULTI-HASH の性能

結果

この章は[26]を短縮したものである。この章を書いた1つの目的は、読者に 「決定木からどうやってハッシュテーブルを構築するか」に関する手がかりを 与えるためである。このため、計測された色属性が不確かさを伴う原因となる 現象について詳細を省いている。

MULTI-HASH の科学的な貢献に関して述べる。モデルベースビジョンは、人間 が異なる物体をどう区別するかの戦略を全て記述しなければいけないというこ とから複雑になる。仮にこの戦略が全て記述できたとしても、新たな物体のモ デルが追加される度に、同じ手間を繰り返さなければならない。そのため、 (管理された環境ではあるが)これらの戦略全てを自動的に生成してくれるシ ステムに大きな関心が寄せられるのは不思議ではない。この場合人間の行うこ とは、異なる物体をシステムに提示し、検出された特徴とモデルの特徴との対 応を指示するだけである。

そのようなシステムの一例をこの章で紹介した。MULTI-HASH にはあらかじめ 物体モデルのリストを与えられる。トレーニング時には、人間が提示した物体 から自動的に LFS を検出し、各 LFS がモデルのどの LFS に対応するかを人 間が指示する。MULTI-HASH は、この情報から属性値空間で不確かさの分布モ デルを生成する。さらに、この不確かさモデルから決定木を構築し、ついでハッ シュテーブルを作成する。

MULTI-HASH は11,000行のCで書かれている(低レベル処理やロボットの制御 は除く)。



OGAWARA Koichi 平成12年9月20日