next up previous
: 学習システムとしての MIRACLE-IV : 画像処理列の自動生成 : 作成/変換による新しい列の生成

例題

ここでは、成功例が何もない状態から、作成と変換の過程によって新たな画像 処理モジュール列を生成する例を示す。

元画像(コンパス: $ 512\times 512 \times 8bit $) を Figure 7.14 に示す。 データ型は白黒画像であり、最終のデータ型は点(x,y)のデータ(pnts)である。 期待される最終データの座標値(コンパスの蝶番に相当)が、MIRACLE-IV の モデル獲得部によって与えられる。

画像処理の結果は、座標値の類似性と検出された点の数によって評価される。 つまり、座標値と点の数が期待される値により近い程、良い結果である。もし 座標値が期待した値に近いとしても、点の数が大きく違う場合は、結果は不適 当と判断される。

Figure 7.15 は試行錯誤の様子を示す。新たな列の生成の STEP1 は8回繰り 返される(Figure 7.15:S1,S2, ...,S8)。S1 から S7 に関しては、STEP2 の操 作にも関わらず不適当である。S8 は、入力画像を Otsu の結果によって2値 化し収縮する処理を示す。Figure 7.16 は2値化した画像を、Figure 7.17 は 処理結果を示す。多すぎる点が獲得されたために、結果は不適当と判断される。 STEP2 の変換の2回目の試行で、結合と拡張(cnex: 繰り返し回数は4)が2 値化の後に挿入され、その結果 Figure 7.18 に示すように良い結果が得られ ている。STEP3 で、繰り返しの回数がデフォルト値の4から7に変更されてい る。

この変更によって、Figure 7.19 に示すようにさらに良い値が得られた。 STEP3 では、さらに試行が行われたが(S8111,...,S8115)、成功しなかった。 この試行錯誤の過程を通して、列 S811 (Figure 7.15)が最終的に自動生成さ れる。この処理列は、蝶番の画像上での特徴である''拡張された部分''を認識 したと言える。その結果2つの別の物体が、画像上の特徴が同じことからコン パスの蝶番であるとして発見された。



SATO Yoshihiro 平成12年11月10日